いつもありがとうございます。
大阪上本町駅前
「伽藍堂鍼灸院」
多井一貴です。
今回は
「フォーカルジストニア」について
お話していきたいと思います。
フォーカルジストニアというと
最近ではRADWIMPSのドラマーの方が
発症し治療を続けていたものの
改善せず活動を休止された
というニュースがありました。
それ以外にも
さまざまな音楽家・演奏家の方が
引退や活動休止という事態に
追い詰められてしまっています。
1800年代に活躍した作曲家シューマンの
時代から確認されている疾患ですが
なかなかこの疾患に対する研究は進まず
近年になって少しずついろいろと進んできました。
最近でもテレビでヴァイオリニストが
実際にヴァイオリンを弾きながら
開頭手術をしているニュースが
取り上げられていました。
頭の中を触られながら
演奏をするいうことを
おこなうのはこの疾患が
脳に原因があるからだと
考えれているためです。
フォーカルジストニアというものの
説明から入っていきますね。
このフォーカルジストニアというのは
日本語だと
局所性ジストニアや書痙と
表記されることもあります。
不随意で持続的な筋肉収縮を引き起こす
神経疾患だと言われています。
どういうことかというと
自分の意志とは別に勝手に筋肉が
動いてしまうことで
自分の思うとおりに身体を動かせなくなります。
たとえばピアニストの方の場合に多いのは
鍵盤をたたく際に小指と薬指が
曲がってしまい早く動かせなくなってしまい
演奏に支障をきたしてしまいます。
この疾患は基本的には
普段の動作には影響がなく
ある特定の動作をするときにのみ
こうした症状が現れるというものです。
ですので先ほども書いたように
ヴァイオリンを弾きながら
頭の中の手術を行うことで
脳のどこに異常があるのかを
確認しながら手術をおこなうという形に
なるのです。
さまざまな研究を重ねて
脳に影響があるという結論に至ったことは
理解していますので
脳の異常によって起こるものも
あるのでしょう。
ですが
僕がこれまでフォーカルジストニアの方を
診てきて脳の問題だけではないということは
明らかだと考えています。
身体の無理な使い方によって
引き起こされたものであり
必ずしも脳に原因がある
というわけではないのです。
フォーカルジストニアは
さまざまな箇所で起こる疾患です。
ここでは
一番発症する例の多い
指が上手く使えない事例から
どういうメカニズムで起こるかを
説明していきます。
まず指を動かすための筋肉は
おおむね前腕部の筋肉を使います。
その前腕部には筋肉の繊維が
3つの区画に分かれて入っています。
その区画には自由に動くための
スペースが設けられているのですが
フォーカルジストニアになってしまった方の
前腕部にはこのスペースがほとんど
無くなってしまっています。
多くの場合
幼少のころからたくさんの
練習を重ねてくる中で
自分の身体に合わない使い方を
してしまうことで
区画内の筋肉に大きな負荷がかかり
肥大化してしまうことで
周囲の神経や血管が圧迫されてしまい
神経伝達が上手くいかなくなることで
発症してしまっていると
僕は考えています。
ですので
この肥大化してしまった筋肉を
元に戻してあげることと
無理な形で使っている状態を
改善することで次第に自由に
指を動かせるようになっていきます。
この無理な形というのは
個人個人で違ってくるものなので
実際に身体を診ることで
どこに原因がるのかを探っていきます。
肩であったり首であったり
はたまた反対側の脇腹であったりと
本当に多種多様になっているので
それを探してあげられるかも
とても重要になってきます。
ただこの疾患は
僕がこれまで診てきた
さまざまな疾患の中でも
非常に難しいもののうちの1つになります。
時間をかけて少しずつ改善していくので
多くの場合
年単位での施術が必要になることは
ご理解いただきたいと思います。
それでも可能性は十分にあるということは
知っておいてくださいね!
ここまで読んでいただき感謝です。
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