今回は 「仏教と医療の考え方の親和性」 というテーマでお話していきたいと思います。
前回は僕のブログに
仏教の話がよく出てくる理由について お話しました。
本来お話しようとしていた内容から
少しずれてしまったので
今回こそは仏教と医療についての
話をしていこうと思います。
興味のある方は最後まで読んでみてください!
まず仏教の教えの中に 「四諦」というものがあります。
この「四諦」というのは 四つの真理の意味を持ちます。
苦諦 苦に関する真理
集諦 苦の原因の真理
滅諦 原因を滅する真理
道諦 そのための方法
この四つの真理を医療に当てはめて考えてみましょう。
苦諦」というのは 生きることは苦であるということの確認です。
確認するというのは
医療で考えると診察・診断ということになるでしょう。
※僕の持っている医療資格では西洋医学的な診断を行うことは出来ません。
少しややこしいですが、あくまで東洋医学的な診断になります。
現在の身体や心の状態がどういったものであるか
つまり病態の把握ということになります。
身体や心を治していくというのは
まず現状を確認して認識することが重要ですからね。
そして次に「集諦」は
その苦というものの原因は
欲望であるということを訓えています。
原因の特定というのは
医療でいうと病態の原因が実際にどこにあるのかを
探すという治療において非常に大切な要素です。
肩が痛いから肩だけを診て
治療をしてもただ対症療法をおこなっているだけに
なってしまっていることもあります。
本当の原因とは何かを探すことが
身体と心を治す上で必要不可欠なのです。
三つ目の「滅諦」は 字のごとく原因を滅するということになります。
さらに仏教では苦痛の根源である
「欲望」をコントロールすることが大切で
欲望を際限なく膨らませることで満たすことは
ダメですよと教えています。
これは「少欲知足」といい
欲を少なくして足るを知るという心を
持つことをするべきですということですね。
これを医療に当てはめて考えてみましょう。
たとえば 医師がお薬を処方する際に
出ているすべての症状に対して効果を認める薬を出すと
どうなるでしょうか?
おそらくオーバードーズを起こし
副作用が出てしまったり
効果が重複する薬が出てしまったりして
かえって身体を壊してしまうことになるでしょう。
僕のような鍼灸師という立場で例えるなら
すべての症状に対して一気にアプローチすると
刺激に対して身体が耐え切れずに
負担になってしまったり 免疫力低下につながってしまったりと
こちらもかえって身体を壊してしまうことになります。
だからこそどのように治療を進めるかを
理解した上で状況を見極めることが重要なのです。
最後の「道諦」は 先ほどの欲望のコントロールを
どのようにすればよいのかという方法を教えています。
これは医療でいうと
まさに治療の段階と言えるでしょう。
このように仏教における
根本となる教えが非常に医療と親和性が高いと
僕は思っています。
そういったところから
これからもたまに仏教の話が出てくると思います。
僕なりの解釈が面白いなと思ってくれた方は
ぜひこれからも楽しみにブログの更新をお待ちください。
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